念書でもひとり幼稚な言葉を記した増田元園長

当然だが、河本さんたちは激昂した。増田元園長はその後も事件の当事者とは思えない発言や行動を繰り返すが、それは後述する。

河本さんが幼稚園関係者に書かせた念書。みなが退職や廃園を願う旨を書くなか、増田元園長のみ、どこか他人事な言葉を記している
河本さんが幼稚園関係者に書かせた念書。みなが退職や廃園を願う旨を書くなか、増田元園長のみ、どこか他人事な言葉を記している

河本さんは9人に向けノートを手渡した。8名の職員が『廃園を願います』や『園を辞めさせていただきます』とそれぞれの今後や責任の取り方をノートに記すなか、増田元園長は『苦しかったろうな あつかったろうな ごめんな 千奈ちゃん』という一文を残したという。

「本当に謝罪する気があるとは思えませんでした。『ふざけるな』と言うと、今度は『はいはい。わかりましたよ、書きますよ』と声を荒げて書きなぐるように『誠に申し訳ありません。廃園に致します』と記しました。
もちろんこの念書に法的な効力がないことは僕もわかっています」

増田元園長は声を荒げて書きなぐるように念書に追記した
増田元園長は声を荒げて書きなぐるように念書に追記した

面談を重ねていくなかで、増田元園長は傍若無人な振る舞いを繰り返したという。
河本さんら遺族が毎日苦しんでいることを伝え『あなたたちはどんなことをしているんですか?』と問いかけたときは、増田元園長は『気晴らしに友人と会っています』と悪びれずに答えたという。

「それだけではありません。僕も妻も『千奈ちゃんを返して』とすごく怒ったときがあったのですが、それに対し増田元園長は『はいはい。わかりましたよ』と声を荒げて妻をにらみつけたんです。それまでずっと我慢していましたが、我慢できなくて僕も掴みかかろうとしました。
そのときは増田元園長の息子の増田多朗現理事長が止めに入りましたが、止められなければ殴っていたと思います」