テレビ番組のオープニングに見る令和と昭和のコントラスト
少し前、タイパ重視の現代においては流行歌のイントロが短くなっているというようなトピックがあった。同時にB’zの「LOVE PHANTOM」の異様なイントロの長さも改めて話題になっていたと記憶している。
テレビ番組も同様だなと感じることは多い。
例えば、番組最後のスタッフロールは昔のような目で追えるスピードでは流れず、一時停止しないと確認できないくらいの勢いで過ぎていってしまう。
では、テレビ番組のイントロともいうべき番組冒頭はどうだろう。
昭和のテレビ番組では、多くの番組で毎回長い口上が述べられていた。
有名どころでは桂小金治が司会の『それは秘密です!!』(日本テレビ系列)なんかがそうだ。
「雨止んでひと傘を忘る。兎角人間は時の流れに過ぎし日のことを忘れがちなものです。推理と思い出のご対面。それは秘密です!!」
ここまで長いフレーズを話してから番組本編はスタートしていたのである。
例外的な番組は『探偵!ナイトスクープ』のみ?
今、こんな始まり方をしている番組はパッと思いつく限り『探偵!ナイトスクープ』(ABCテレビ)くらいではないだろうか。
「複雑に入り組んだ現代社会に鋭いメスを入れ、さまざまな謎や疑問を徹底的に究明する探偵ナイトスクープ。 私が局長の◯◯です」
という口上は、初代局長から脈々と引き継がれている。上岡龍太郎時代は流麗なこの口上が実にハマっていたが、西田敏行局長以後はやや様式美として残した感があり、松本人志現局長はこれを言う際、いまだにちょっと照れが見える。
しかし、これは現代ではかなり例外的なように思う。
また、タイパとはちょっと違う観点だが、以前は「毎度おなじみ流浪の番組、タモリ倶楽部でございます」といった「口上」とまではいかないものの「お決まりのフレーズ」が発せられることが多かった。こういったものもずいぶん減った気がする。
なんとなくのイメージだが「さあ、始まりました」程度の挨拶で始まるのが大半ではないか。出演者紹介も早々にどんどん本編に入っていくというのがやはり最近の流れのように思う。
ならば、ちゃんと調べてみようというのが本稿の趣旨である。