世界一進んでいる核廃棄物最終処分場の建設
核廃棄物管理、使用済み核燃料の最終処分において、フィンランドは世界でも先端的である。
最終処分場の建設について、プロセスの進行を国際的に比較してみると、処分場の建設にまで着手している国は、フィンランドのみである。最終処分場の用地の決定まで終えている国としては、スウェーデンとフランスを挙げることができる。
アメリカも処分場の用地について、ユッカマウンテンに決定している。ただし、政権交代によって方針が一定せず、許認可手続きは中断している。共和党政権は推進しているが、民主党政権は後ろ向きであり、バイデン政権は中間貯蔵を進めていくものと見られている。
イギリス、カナダ、そして日本は、処分場の用地の決定にも至っていないのが現状だ。
フィンランドの核廃棄物最終処分場(オンカロ)は、オルキルオト原子力発電所に併設して建設されている。
オンカロとは、フィンランド語で空洞を意味している。地下400〜450mの岩盤地層において、使用済燃料など6500トンを埋設する計画で、ポシバ社が建設にあたっている。
2016年から建設が進められており、2021年には操業許可が申請された。早ければ2024年下半期には運用が開始される計画となっている。高レベル放射性廃棄物処理施設としては、世界初となる予定だ。10万年にわたる保管が想定されている。2013年には、小泉純一郎元総理が視察した。
処分場建設に至るプロセスに関して、日本はフィンランドを参考にして、一刻も早く前に進めていく必要があるだろう。
文/村上政俊 写真/shutterstock
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