風俗OKで子どもは人工授精か養子で…
夫のほうからすれば寝耳に水だ。結婚した後になって感覚過敏だから夫婦の営みができないと言われても納得できることではないだろう。
夫婦の間で何度か話し合いがもたれた。B美さんの主張は、風俗へ行くことは許すから性行為は外でしてくれというものであり、子どもがほしいなら人工授精か養子ではどうかというものだった。だが、夫はそれを受け入れられず、結婚から2年後に離婚することになった。
冒頭で述べたように、発達障害の概念が広がることによって、夫婦がそれを離婚の理由に挙げることが増えた。
もちろん、発達障害であるとわかったことによって、理解をより深められるようになることもあるだろうが、A子さんのように「治らない」と考えて絶望したり、B美さんの夫のように限界を感じたりするケースも少なくない。特に「性」の分野では、すれ違いが大きくなる傾向がある。
発達障害への理解とはよく言われることではあるが、そこには性の問題も含まれていることも考えなくてはならないだろう。
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取材・文/石井光太
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