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「チビゴキ」と呼ばれて小3から不登校に

「わざわざプロフ欄に『発達』って書く子って、子供時代からいろんな傷つき体験をしていて寂しい思いをしていたり、規則正しい普通の昼職ができなかったりする子が多いんです。そこらへんの事情が風俗との親和性が高いのかもしれません」

世間全体から見れば、スカウトマンが言うような女性はほんの一握りだろう。だが、その世界にいる女性だけに絞れば、そういう傾向が見られるのも事実なのだという。では、彼女たちはどのようなプロセスを経て売春の世界に身を投じるのか。

今回、本シリーズが募集する取材協力者に応募のあった女性のケースを紹介したい。

今から36年前、西日本の小さな町で、遠藤幸乃(仮名)は7人きょうだいの6番目の子として生まれ育った。母親には明らかな発達障害の傾向があったそうだ。計画性もないまま毎年のように子供を出産し続けた母親は、掃除、料理、洗濯、子守りなどの家事はまったくといっていいほどできず、子供たちが代わりにやっていたという。

そんな家庭で育ったこともあり、幸乃は親から愛情を受けた記憶がなかった。親と言葉を交わすのは月に一度あるかどうか、かといって姉や兄も何を考えているかわからなかったので、家の中ではコミュニケーションらしいコミュニケーションは皆無だったという。

写真はイメージです
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後に診断されるように、幸乃にも発達障害の特性があった。そのせいか、学校でも友達とうまく付き合えず、小学校に入って早々に激しいいじめに遭った。幸乃は当時のことを振り返る。

「背が小さくて色が黒かったから、ちっちゃいゴキブリの意味で『チビゴキ』って呼ばれてた。クラスが変わってもずっと叩かれたり、物を捨てられたりして。ママやきょうだいに言っても『ふーん』って無視されて。それでもういいやって学校行かなくなった。2年まではちょこちょこ行ってて、3年からは全然行かなくなった。学校に行かなくても、きょうだいも行ってなかったから別に何も言われなかった」