欧州からは「遠い国」

なぜ、日本のイメージがいつまで経っても更新されないかというと、実は欧州の人たちは、日本にあまり訪れていないからです。 欧州と日本は大変遠いのです。飛行機でも最短で10時間はかかります。飛行機代も安くはなく、ピーク時には往復で20万円以上はかかります。そこまで時間とコストをかけて、わざわざ休暇で遊びに行こうという人は多くはありません。欧州では、10万円ほど払えばパックツアーで1週間ほど周辺の国を巡る旅行に行けますが、それに比べると、大変高額な旅行になってしまいます。

しかも、ここ20年ほどの間に欧州でも経済格差が広がってきており、長い休暇を取れる正社員の人が減っていて、非正規の人だらけになっています。仕事の競争も激しいのでそれほど長い休暇をゆるゆると取っていられる暇はないのです。

そうすると、移動距離が長く、時差もある日本へ行こうという人は多くありません。
日本人の感覚からすると、南アフリカやブラジルに行くような感じです。多くの日本人が南アフリカやブラジルの現状を知らないように、欧州でも、日本が今、どんな国なのかを知っている人は多くないのです。

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