以前は「高い国」だったのに……
バブル崩壊直後の日本では海外との内外価格差が問題になっていました。日本円が強かったうえに経済も好調だったので、海外のものがどんどん安く買えたのです。
たとえば、1994年4月、ビッグマックは東京で391円でしたが、アメリカでは2.3ドルで239円でした。
この数字を元に購買力平価を算出すると、1ドル約170円になります。当時の為替レートは1ドル104円だったので、内外価格差は170円÷104円=1.63倍です。つまり、1994年時点では、日本のビッグマックはアメリカより1.63倍も高かったのです。
このように、当時の日本の物価は、アメリカをはじめとした各国を大きく上回っていました。
さらにOECDの統計でも同じような結果が出ています。日本の物価水準は1995年にはアメリカの1.85倍だったのですが、2022年にはなんとアメリカの0.72倍にまで下がってしまっています。
つまり、日本はアメリカや欧州より30%から40%ぐらい物価が安いということです。
日本では2022年頃後半から食品や日用品の値上げラッシュが続いていますが、それでも世界と比べるといまだに「安い国」なのです。