後半戦重要なのは、近本・中野・大山がそろうこと
前半戦の阪神の評価を問われると、間違いなく「強かった」と言えるでしょう。まず、投手陣が非常に安定していました。
先発ローテーションで常に7人から8人のピッチャーがいて、実績のある青柳晃洋選手や西勇輝投手の調子が上がらなくても、村上頌樹投手や大竹耕太郎投手などの活躍で十分にカバーできていました。
青柳晃洋投手などは、たとえ勝ち星がつかなくても、先発ローテーションから外さないという選択肢もあったと思います。それでも5月20日からおよそ2カ月もの間、ファームで再調整させることを選んだということは、チームとして、かなり余裕がある状態で戦えていた証拠です。
打者陣も投手同様ではないでしょうか。佐藤輝明選手は、いくら調子が悪くても長打力は魅力ですし、期待も大きいので、なんとか一軍に残したいというところが本音だと思うのですが、6月25日に一軍登録を抹消されました。最短の10日間で再び一軍に合流しましたが、佐藤選手がいなくても問題がないほど余裕があったということです。
これは、近本光司選手・中野拓夢選手・大山悠輔選手の3人が打線の軸として固定できたからこそだと思います。
実際に、近本選手が死球による骨折で戦線離脱したあとは、打順を組むことが難しくなり、チームとして大きくバランスを欠いているように感じました。回復が順調そうなので、安心ではありますが、この3人がそろっているということが、後半戦の非常に重要なポイントだと思います。
構成/飯田隆之 写真/共同通信社