夏木マリと樹木希林。それぞれの「かっこよさ」とは
今でこそ「かっこいいババア」ポジションは夏木マリを置いて他にいないと言い切れるが、実は、少し前にそのポジションにいたのは樹木希林である。
ただ樹木希林は生き方のロックさと含蓄のある演技でそこにいたという側面が強く、夏木マリのそれとはやや意味合いが違う。
また、樹木希林は年齢を重ねていけばいくほど、役の方が素の樹木希林に近づいていったが、夏木マリについてはむしろ年齢を重ねるごとに役柄が広がっている感すらある。
夏木マリの後を担えそうな人は誰だろう。まだだいぶ若いが冨永愛あたりはそこに行けるのではないか。
芸能界でかっこよく「年齢を重ねる」のはなかなか難しい。
加齢に抗うという意味では多くの芸能人が頑張っているが、実は上手に歳をとる方が難易度が高い。
彼女は今71歳。年齢は記号に過ぎないが、これからもかっこいい70代、80代とはなんたるかを見せ続けてほしいと思う。
文/前川ヤスタカ イラスト/Rica 編集協力/萩原圭太