サウナで汗をかいた後に水風呂に入り、その後外気浴などで休憩すると、リラックスできて「ととのう」……空前のサウナブームの昨今、サウナに興味がない人でも、「ととのう」という言葉を一度は聞いたことがあるだろう。中高年の男性が入る印象が強かったサウナだが、近年は趣向を凝らした新店が続々とオープン、若者や女性もこぞって訪れている。

現在のサウナブームは、第三次ブームと呼ばれており、2011年に発売されたタナカカツキさんの書籍『サ道』(PARCO出版)をきっかけに、同作の漫画版の発売や2019年のテレビドラマ化を経て大流行が起きた。

ちなみに第一次ブームは1964年、東京五輪の選手村に設けられたフィンランド式サウナが注目を浴び、サウナ施設が増えたことがきっかけとなり、第二次ブームは1980年代に健康ランドやスーバー銭湯が増えたことに起因している。

「若い子たちが言う『ととのった〜』。あれ言わなきゃダメなんですか」大ブームの裏でサウナ嫌いおじさんが急増するわけ_1
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しかしながら昨今、ビギナーの利用客が増えたことにより、迷惑に感じているサウナファンも多いという。昔からのサウナ好き・銭湯好きを困らせている迷惑行為にどういったものがあるのか、銭湯の利用客を取材した。

一番多かった苦言は会話に関するもの

取材をして一番多く聞こえてきたのは、複数人で訪れる若者のおしゃべりに関する苦言だった。

「一番気になるのはサウナ室内での会話ですかね。若い子たちは複数人で来る人が多いから、中でおしゃべりを始めるんですよ。サウナってかなり狭い密室じゃないですか、コロナもまだありますし、気になって仕方ないです。5類に引き下がったとはいえマナーとしてどうかと思います」(60代男性・無職 町銭湯常連)

「“黙浴”とか“私語厳禁”の貼り紙をしている場所でも話すもんだから、注意したこともあります。でも不貞腐れた表情で反省している様子もなく、謝罪もなし。スッキリするために入ったのに気分を害されました」(50代男性・飲食業)

「若い子たちはすぐ『ととのった〜』とか言うじゃないですか、あれ言わなきゃダメなんですか。そんなこと別にどうでもいいから、話さないでくれと思ってしまいます。しかも結構なボリュームで話す人が多い。確実に民度は下がってますよ。ブームってやっぱり考えものだなって思いますね」(40代男性・会社員)

「背中に和彫が入った“いかにも”な人たちなんかも銭湯では普通に見かけますが、大抵の場合、そのような人たちはとてもマナーがいいんです。集団で来てる若い男の子たちは本当にうるさくて…。喋りたいなら、居酒屋行けばよくないですか? 理解できません。」(30代男性・ライター業)

狭い密室で聞きたくもない話を大声で話されるのは不快だろう。静かに過ごしたいお客さんがいるということを利用客全員が意識できるといいのだが…。

また、汗をかく場所だからこその、衛生面でのトラブルも増えているという。