【Xデーマイナス2日~1日①】
( 台湾 )
前日の精密誘導兵器、自爆ドローン攻撃に続いて、この日は早朝から中国空軍爆撃機による大規模な航空攻撃が行われた。
攻撃の重点目標となるのは、台湾空軍基地の残存航空機・防空部隊及び陸軍の集結部隊や沿岸部防御施設などである。沿岸部後方地域に集結していた台湾陸軍の機甲部隊には燃料気化爆弾が投下されて、部隊は壊滅状態に陥った。
夜間に入り、台北市・台中市・台南市正面海岸では中国軍の掃海部隊によって残存機雷の掃海作業が隠密裡に続けられた。
中華電信とシンガポールのシンガポール・テレコムが共同運用しているST通信衛星など、台湾の使用している通信衛星にサイバー攻撃が行われ、数基の通信衛星が衛星攻撃ミサイルによって破壊された。これにより台湾の衛星通信は大打撃を受けた。
( 中国 )
政府機関・民間のインフラ施設に対するサイバー攻撃、それに続くミサイル・自爆ドローン攻撃、航空攻撃など、一連の上陸前準備打撃が終了。東部戦区第73集団軍3個海軍陸戦旅団を先陣に機械化合成旅団からなる一次侵攻部隊約16万の乗艦船する揚陸艦船が次々に発進した。
揚陸艦船群は、統制海域(艦隊の集合場所としてあらかじめ指定された海域)で侵攻地域別に艦隊を組み、台湾各地の目標海岸に向かった。各基地や飛行場では、空挺兵旅団や空中突撃旅団、輸送部隊が発進態勢に入った。
厦門対岸の東引島、馬祖島、金門島に巡航ミサイルによる攻撃など激しい砲撃を加え、中国海軍陸戦隊、陸軍特殊部隊が上陸し3島を短時間で制圧した。
台湾海峡の澎湖諸島にも巡航ミサイルによる攻撃、航空攻撃を行い、防衛部隊に大損害を与えた。
中国国防部は「現在の台湾の混乱は台湾自ら収拾することが不可能で、台湾市民を守るために必要最小限の特別軍事作戦を行う」と発表した。
「台湾の混乱収拾のための行動は内政問題であり、他国の干渉を断固拒否する」
続けて中国外交部が発表した声明は、台湾問題をあくまで「内政問題」とする主張を変えないことを表していた。