【Xデーマイナス3日②】

( アメリカ )
ホワイトハウス報道官は「中国の攻撃は国連憲章違反であり、ただちに攻撃を停止するように求める」との声明を発表した。
  
( ハワイ )
インド太平洋軍司令部では作戦会議が連日行われていた。

「数日以内に中国軍が台湾に侵攻する。ホワイトハウス及び国防総省からの命令は出ないのか」

ロバートソン司令官の質問に、作戦部長が応じる。

「中国軍機や艦艇との直接交戦はしないようにとの命令に変更はなく、現在の台湾東部の太平洋地域及び台湾海峡の北部・南部海域の航行の自由確保命令が維持されたままです」
「日本の出方はどうだ」
「重要影響事態の認定を視野に、我が軍に対する支援を行う準備をしています」
「海兵隊の展開はどうなっている」
「現在、沖縄の海兵沿岸連隊を石垣島に輸送準備中です。輸送後、陸上自衛隊の駐屯地に配置します。またこれに加えて第1及び第2海兵遠征旅団を沖縄に輸送する予定です」

元陸将が暴露する中国の「台湾侵攻」完全シミュレーション【第3部】反政府活動で混乱する台湾、中国が夜中に重要施設を攻撃_7

カリフォルニア州の第1海兵遠征軍、及びノースカロライナ州の第2海兵遠征軍は、隷下に各1個海兵遠征旅団を常設しており、兵員数はそれぞれ約1万5000人である。沖縄の第3海兵遠征軍は旅団規模を持たず、沿岸海兵連隊(MLR)2個を常設し、うち1個連隊をグアムに置いている。沿岸海兵連隊は歩兵大隊及び長射程対艦ミサイル部隊、高機動ロケット砲システム部隊から編成されている。

「北朝鮮に不穏な動きがあり、在韓米軍の陸軍、空軍は動かせない。イランやロシアの動向を見ても在欧米軍や中央軍からも大きな戦力は抜けない」

ロバートソン司令官は苦悩していた。