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勝手に勘違いした可能性が高い

再逮捕容疑は、5月25日の夕方に青木政憲容疑者(32)の自宅近くを散歩コースにしていた村上幸枝(66)さんを待ち構えて、刃渡り約30cmの「ボウイナイフ」と呼ばれる刃物で刺し殺したとしている。

同容疑者は県警の調べで、村上さんを含めた2人の女性を殺害した動機について「2人から『(ひとり)ぼっち』と言われたように聞こえ、恨みを爆発させた」と供述しているという。

「ふたりは日頃からウォーキングの際に大きな声で話していたようだ。ふたりとも政憲容疑者の母親が自宅で開催していたフラワーアレンジメント教室に通っていたが、容疑者との接点はなく、笑い声が聞こえたと勝手に勘違いした可能性が高い」(社会部記者)

事件当時、集英社オンラインは、青木容疑者一家について徹底取材した。親族、同級生、近隣住民から話を聞いていくうちに、同容疑者の両親は、これまで強い愛情を持って息子を育てあげてきた。当時の証言の一部を抜粋する――。

青木家(撮影/集英社オンライン)
青木家(撮影/集英社オンライン)
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青木家は13代続く農家で、父親の正道氏は中野市議会議長も務めた地元の名士として知られる。一方、母親のA子さんも地元では有名人で、フラワーアレンジメントやフルーツカッティングの講師として、長年にわたり講演活動なども行なってきた。そんな両親のもとに3人兄妹の長男として生まれたのが政憲容疑者だ。

青木家の分家の男性も、幼いころの政憲容疑者については「ひょうきんな性格で友だちともよく遊んでいた」と語る。

「ウチの子供とも会ったらよく遊んでいましたし、昔は毎年お年玉をあげていましたが、今みたいに人と喋れないということもなく『ありがとうございます』とお礼を言う子でした。お父さんもお母さんも厳しく育てているというよりは、政憲にとても優しく声をかけ、接していた印象です。もちろん叱るときは叱っていたと思いますが、それでもあの2人なら優しく諭している感じだとは思います」

小、中学校では野球に打ち込み、キャッチャーとして活躍した政憲容疑者。野球部で一緒だった同級生が当時を振り返る。

野球部だった政憲容疑者(知人提供)
野球部だった政憲容疑者(知人提供)

「僕たちの代は学年120人ぐらいのうち野球部員が16、7人ほどいて、一番人気の部活でしたが、その中でも政憲はキャッチャーのレギュラーとして活躍してました。小学生の頃から地元の少年野球チームに入っていた子が野球部に集まるんですけど、その中でもキャッチャー経験者が政憲ぐらいしかいなかったのもあって、レギュラーが取れたんですよ。特別バッティングが上手いとか、肩が強いとかいうわけじゃなかったんですけどね。

性格はちょっとクセがあるというか、独特な世界観を持ってる子でしたね。自分から話しかけるわけではないけど、こっちが話しかけたら、普通の返しじゃなくて、ちょっとひねった返しをしてくれるというか…。別にまったく嫌味なヤツではなくて、くだらない話でもうんうんと頷いて聞いてくれたり、たまにボソッと面白い答えを返してくれるんです。そんな独特なキャラクターがウケて、野球部ではけっこう愛されていたし、クラスの輪の中でも中心というわけではないけど、ふつうに友達は多かったと思います」