岸田首相にとって小渕氏の抜擢は「一石二鳥」
「次に解散があるとしたら、秋口。臨時国会の冒頭あたりに岸田首相が解散を決断する可能性は高い。ただ、この1カ月間で12ポイントも急落する(毎日新聞調べ)など、内閣支持率はダダ下がりしている。当然、首相は秋口解散の前に世間受けする内閣改造や党人事を断行し、支持率アップを狙うでしょう」(自民党関係者)
その目玉と目されているのが、小渕優子議員の官房長官起用だという。もし、小渕氏が官房長官に抜擢されれば、女性議員としては2人目の官房長官誕生となる。女性進出が遅れている日本だけに、この人事は世論、とくに女性の有権者から好感視されるはずだ。
全国紙政治部デスクもこう続ける。
「もともと、次の内閣改造で岸田首相が小渕氏を起用するのではという観測は今年の春先から永田町にくすぶっていました。その観測がさらに強まったのは今年3月。都内で菅義偉前首相と韓国の尹錫悦大統領が会談した際、岸田首相が小渕氏も出席させてほしいと菅さんに強く要請し、会談の同席が実現したんです。首相が次の内閣改造で小渕氏を厚遇する前触れと受けとめる向きは少なくありませんでした」
小渕氏の抜擢は、ポスト岸田への意欲を隠さない茂木敏充自民幹事長へのけん制にもなるという。
「茂木幹事長が5月に訪米し、ブリンケン国務長官ら、バイデン政権の要人とご満悦の表情で会談したことを首相周辺は心よく思っていない。党幹事長としていまは首相を支える立場なのに、ポスト岸田への色気を出しすぎだと反発を買っているんです。
小渕さんは茂木派の領袖だった小渕恵三元首相の娘ということもあり、茂木派のプリンセス的存在。将来の女性宰相候補の声の呼び声もあがるほどです。その小渕さんを厚遇することは派閥内での人望がイマイチの茂木幹事長の台頭をけん制することにもなり、岸田さんにとっては一石二鳥というわけです」(前同)