「いまの地方の国公立大学は相当やばい」

――心理学でも教育学でもなく、必要なものは何だったのでしょうか?

そこで、私は「ルール」のもとにアプローチできないかと、一から法学を勉強しすることにしたんです。だけど、学んでいくうちに、実は答えは社会学にあると気づいたんです。以前より独学でアメリカの社会学者の(タルコット・)パーソンズの本を読んだりしていましたが、社会学では精神疾患のことや、その子供たちの対応に関して、実に理路整然と書いているんです。例えば、友達親子で育った子供は永遠に承認欲求が強いというような理論は、もうとっくの昔に社会学では答えが出ていたことなんですね。

大学の教授に「押川さんの漫画って社会学だよね」と言われたんです。つまり、私の漫画には「社会でどう生きるか」の解決方法が描かれていて、それは社会学では当たり前のことなんだけど、親も先生も知らないから、子供にも教えられない。だから、高学歴を持っていても社会に通用しない子供が、いまの時代はかわいそうなぐらい多い。本当は社会に通用する子どもを育てたかどうかというだけのシンプルなことなんです。

それをいまは、「本人の意思を尊重」と言って、全て放棄しているじゃないですか。ハッキリ言ってガキに考えなんかあるわけないんですよ……って、こういうことも、やっと集英社オンラインで言えるようになりました。今までは、結構我慢してたんですけどね(笑) 

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――大学で机を並べた若い学生たちの印象はいかがでしたか?

これもハッキリ言いたいけど、いまの地方の国公立大学は相当やばいです。本当にプアな学生が多いんですよ。例えば私が通っていた北九州市立大学でも、そこそこの進学校を出てきているけど、奨学金を親が総取りして生活費に充てているような子もいるんです。そうなったとき学生たちが何をするかというと、女の子はパパ活。そして、男の子は、そういう女の子を利用して中抜きしている。地方にはそういうネットワークができあがっています。

パパ活でおっさんを落とすパターンがあるらしく、そのマニュアルに沿ってチームを組んでやっているみたいなんです。で、相手がしつこくなってきたら友達を紹介して、自分はパッといい具合でバックれるみたいなね。