好きなものすべてが詰まっていた
――やはり一番影響を受けた漫画家さんは岸本先生ですか?
そうですね。岸本先生のすごいところを挙げたらキリがないんですけど、やっぱり青年誌的な立体的なかっこよさと、少年誌的なポップなかわいい部分が、絶妙に混ざり合った感じというか。話もすごく面白いですし、キャラクターのデザインもとんでもなくかっこいい。
幼いころからリアルなものが好きで、たぶんみんな『ポケットモンスター』(以下、ポケモン)とかを通ると思うんですけど、僕にはポケモンがあんまり刺さらなくて。
それよりも『デッド オア アライブ』とか『鉄拳』のような格闘ゲームの、敵を突き飛ばすと下に落下して、それを追っていく、みたいなモーションがすごく好きで、それだけをやるためにゲームをしたり。
『鋼の錬金術師』の2003年版のアニメで、オープニングや重要なバトルシーンだけキャラクターが“ヌルヌル”動いたりするのも、子供ながらに「このかっこいいのはなんだ?」と不思議に感じていて。頑張って体を動かして、その真似をした記憶があるくらい、リアルな作品が好きでした。
そこにガチッとはまった漫画が『NARUTO』だったんです。今まで探していた、自分が好きなものすべてがある、みたいな。好きになるべくしてなった感じです。
――上巻のカバー袖のコメントにも書いてありましたが、単行本だけでなく、ジャンプも買い始めたのはなぜですか?
今でも覚えているんですけど、2012年の34〜35号が2号連続で『NARUTO』が表紙だったんです。その35号がコンビニに置いてあって、表紙がすごくカッコよくて。
でも、当時、単行本派だった僕からすると、(ジャンプには)ちょっと先の話が載っているんで、買うのをためらって…店内を2~3周して、試しにペラっとめくってみたら、巻頭カラーもかっこいい、漫画のカラーのページもすごくかっこいい、これは我慢できないと思って、そこからジャンプを買い始めました。