岸本先生の作業風景が映っているDVDを一時停止し、すべてチェック

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【注意】このインタビューは、漫画『NARUTO-ナルト-サスケ烈伝 うちはの末裔と天球の星屑 』のネタバレを含みます。ご了承いただける方はお読みください。 


――『サスケ烈伝』のタッチは、岸本先生の絵にとても似ていると個人的に感じています。岸本先生ご自身も「自分が描いてると思った」とおっしゃったそうですが、なぜ『NARUTO』にここまで絵を近付けることができたのですか?

上手くできたな、似せられたなって思う部分もあるんですけど、正直なところ、全体を通してはあまり似せられていないな、と自分では思っています。でも、そうおっしゃってくださっているのは、すごく嬉しいです。

――これまでに岸本先生の研究などをされましたか?


『NARUTO』の複製原画を拡大コピーして、実際の線の太さを確認したりしていました。僕が持っている複製原画は見開きでA3サイズなんですけど、本来はB4×B4で描かれているので、片方A4サイズのページをB4に拡大して、「岸本先生はこのくらいの線の太さで描いているんだ」みたいな。

今回、それを意識して描いていたんですけど、複製原画は見開きの絵なので、同じ線でコマ割りを描いちゃうと太くなり過ぎちゃうんです。『サスケ烈伝』の上巻は線が野暮ったいな、と今は感じています。

「『NARUTO-ナルト-』があったからここまで生きて来れた」と言い切る『サスケ烈伝』の木村慎吾。岸本斉史へのほとばしる愛とリスペクトと切磋琢磨_1
『NARUTO-ナルト-サスケ烈伝 うちはの末裔と天球の星屑』上巻 第3話
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――今回、『サスケ烈伝』を描くことが決定してから、そのような研究を始めたのですか?

高校生の頃からジャンプと単行本を見比べて、「ここちょっと違うな」とか、「あ、ここ効果線入ってる」とかの研究はしていました。

岸本先生は服の汚れとかをGペンでチョンチョンって描いたりするんですけど、単行本作業では、それをポスカの極細ペンで加筆していたりするんです。そのマネをしてみたりとか、そういった細かい部分ですね。

――すごい研究熱ですね。

2016年くらいに発売された、岸本先生の作業風景がDVDに収められている『ジャンプ流』という本があって、その「創作の現場から」という章に、岸本先生の仕事場の机と本棚が背景として写っているんですけど、そこに『NARUTO』ではない別の本が置いてあるんです。

「その本を岸本先生は読んでいるんだ」と思って、背景なんでくっきりとは見えないんですけど、DVDを一時停止して、「“ストーリーライター”とか“ロードマップ”とか書いてある」と突き止めて、該当する本をネットで検索して、全部買って読んで、みたいなことをやっていました。