幕内力士でも大鶴肥満を超えるのはわずか…という事実

あれ、そういえばKONISHIKIは200kgくらいなかった? とおっしゃる人もいるだろう。規格外競技大相撲出身タレントでは確かにこのクラスはいなくはなかった(今ではKONISHIKIもかなりスリムな方だが)。
ただ、180kgは力士の中でさえ重い方だ。現に令和四年五月場所の番付を見てみると、最上位の幕内力士42名のうち、180kgを超えるのは何と5名しかいない。
近年力士の大型化が著しく、怪我の多さや技の応酬が減るなど弊害も出ているのだが、そんな超重量級の現代大相撲の中に入っても大鶴肥満を超えるのはわずか5名である。
しかもこの180kg超の5名のうち4名は身長190cm超。縦にも長くないとなかなか180kgは超えられない数字であることがわかる。ちなみに大鶴肥満の身長は182cmである。ドラえもんが身長(cm)・体重(kg)・胸囲(cm)が全て129.3と言うのはよく知られているが、大鶴肥満は身長も体重もほぼ180。残念ながら胸囲は公表されていないが、上下左右前後みんなほぼ同じなあの体型を見ると180cmくらいはあってもおかしくない。ドラえもんを実写化するなら大鶴肥満でいいのではないか。縮尺はだいぶ違うけど。

実は体重に頼らないママタルトの漫才

さて、ここまで大鶴肥満の大きさにフォーカスを当てて語ってきたが、その上でみなさんにお伝えしたいことがある。ママタルトが漫才において大鶴肥満の180kgっぷりに一切触れないことである。冒頭のつかみ部分で相方の檜原が「僕がもう少し細ければー」と言うことはあるが、漫才のネタそのものは、60kgの人がやっても成立するのだ。

例えばタイムマシーン3号の漫才は関太が太っていることが前提だが、ママタルトの漫才は180kgの巨漢のボケがいながらにしてデブのデの字も出てこない。さらに言えば大鶴義丹に似ていることにも触れないし、「まーごめ」とも言わない。何というか漫才師の矜恃を感じるところである。

何はともあれ、おそらく近いうちに大鶴肥満180kgは多くのテレビスタジオにやってくる。
視聴者も、「まーごめ」な気持ちで見守りたいところである。

文/前川ヤスタカ イラスト/Rica 編集協力/萩原圭太