白いハイヒールを履き入念に化粧した姿で被告人席へ

姉で美容サロン経営の韓旭娟被告(45)=東京都府中市=と弟の韓家宏被告(38)=荒川区南千住=。

起訴状などによると両被告は医師でないのに業として医療行為に及んだ。姉の旭娟被告は2023年7月、豊島区池袋のタワーマンション25階の部屋で当時44歳の中国人女性の目の下およびほおにヒアルロン酸と称する成分不詳の薬剤を注射した。

韓旭娟被告
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弟の家宏被告は同7月19日、台東区上野のマンションの1室で同じ被害女性に対して首、頬、ほうれい線にヒアルロン酸を注射。また、姉弟は共謀して昨年3月、池袋のタワーマンションで同女性の首にヒアルロン酸を注射したうえ、両まぶたの皮膚の切開、除去した脂肪を左まぶたへ注入、ビタミン剤と称する成分不詳の薬剤の点滴を行った。

さらに姉の旭娟被告は同月30日、同女性に切開にかかる縫合手術と縫合部分を抜糸する医療行為を行なった。

この日の初公判で姉弟はともにカジュアルスーツで入廷。姉の旭娟被告は濃紺のスーツに白いハイヒールを履き、入念に化粧も施しており、被告人席につくと結っていた髪をほどき、通訳用のイヤフォンを装着した。

公判中も終始堂々とした振る舞いで、やり手の経営者然としていた。一方、弟の家宏被告はクリーム色のスーツに黒い短髪を整髪料で固めており、やはりビシッとした印象を周囲に与える。

証言台に立った2人に対し、裁判官の発言をすべて通訳が翻訳。起訴状の朗読も翻訳され、罪状認否も通訳を通して行われた。

旭娟被告は「事実としてそういう行為は行いましたが、そのお客さんとは友達であって営業でしたわけではありません」とし、家宏被告も「起訴状の内容はだいたい合っているんですけども同じく私の友達として、(お客さんから)私たちに要請があった」と主張した。しかし弁護人は「公訴事実に争いはない」と述べた。