三上悠亜が現場で泣いた日
――今ってぶっちゃけ、収入はどのくらいなんですか?
昨年の年収は世田谷に新築戸建が建てられるくらいな感じでしょうか…? 今住んでる部屋の家賃も、たぶん地元の名古屋に住んでた時に比べたら10倍くらい? 計算が苦手なので、正確にはわからないですけど(笑)。
――そんな三上さんも引退を宣言。現役時代に最もきつかった現場はなんでしょう?
とある作品が、癖ありな感じの監督さんで、その方は“長回し”(カットを入れずカメラを回し続けること)にこだわりのある方だったんです。
ひとつのコーナーにつき1時間半くらい回すから、私も他の演者さんも中だるみみたいになっちゃって。それで撮影が深夜0時を超えて最後の演者さんとのシーンで、その方の準備が中々整わず、撮影が終わらなかったんです。
――なかなか辛そうな現場ですね。
そこで「明日の朝も早いし…」とか「いつになったら帰れるの…」「ちょっと無理かもしれない…」と追い詰められちゃって。
でもここで泣いちゃダメだと思ったから「一旦、控え室に行ってもいいですか?」と言って、控え室にいきました。そこでマネージャーの顔を見たら、一気に気が緩んで「もう嫌だあ!」って泣いちゃって。
――共演者が高齢だったから嫌なわけじゃなくて、終わらないのが辛い?
そうです。もう、その日一日、長回しという不慣れな撮影を耐えたんですけど、最後の山場で気持ちが完全に折れちゃって。後にも先にも現場で泣いたのはあの時だけですね。
――アイドル時代は決して十分な評価を得られなかった三上さんが、セクシー女優になってここまで注目され、成功したのはなぜでしょう?
アイドル時代はグループ戦で、完全に環境に甘えてた。AKBグループがすでに人気で私たちもとんとん拍子にいろんなことが進むという。自分1人で努力はしなかったですね。
でも三上悠亜となれば個人戦。当初は、私のデビューで業界が動くなんて全然思ってなかったんですけど、挨拶回りするうちに周りからの期待も感じたし、注目の度合いも違った。三上悠亜という存在をきちんと守りながら育てていかなければいけないという自覚が芽生えたんです。
アイドルからセクシー女優に“転落”と思われがちな世間一般的イメージを覆した女性、それが三上悠亜だろう。
後編では三上悠亜最大の強みである“女性ファンの多さ”の秘密や自身の恋愛観や結婚願望などのプライベートな一面を聞く。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班 撮影/村上庄吾