上海を皮切りに海外進出を加速させる

そんななか、事業成長の鍵を握るのはコロナ禍で足踏みを余儀なくされていた「グローバルの出店攻勢」と、10年以上の構想を経て実現した新商品「くらの逸品シリーズ」だ。

前者で言えば、既存のアメリカ46店舗、台湾50店舗に続く、さらなる海外展開に注力していくとのこと。

「今年中に中国本土へ初進出する目処が立ち、まずは上海に1号店を出す予定です。それを皮切りに中国市場でも本格的に出店を進め、くら寿司のブランドを根付かせられるように尽力していきたい。グローバルの店舗数は2030年までに400店舗を目指しているので、引き続き出店できるエリアを見定めながら、粛々と準備を進めていければと思っています」

「くら寿司」の逆襲! 「海外への店舗展開」と「くらの逸品シリーズ」で寿司テロによる逆境に立ち向かう2つの挑戦_2
5月9日台湾・高雄市に開店した「くら寿司 グローバル旗艦店の高雄時代大道」は世界最大の店舗面積となる876.75㎡

一方、国内に目を向けても、直近ではインバウンド需要が復調傾向にある。

コロナ禍になった3年前と比べると約7倍の訪日外国人客が店舗に戻ってきているという。

加えて、コロナ規制緩和による日常回帰の機運が高まっていることもあり、集客状況もコロナ以前の水準に戻っていくのが予想される。

明るい兆しが見えてきているなか、くら寿司は新たな付加価値を見出し、新たに国産天然魚に着目した“寿司ネタ”で勝負をかけている。

それが後者の新メニュー「くらの逸品シリーズ」である。