夫婦二人きり、逃げ場がないからお互いを甘やかす

「お弁当作りはもう卒業し、昼は自由に食べてもらっていますが、朝と夜は一緒にごはんを食べます。好きな物を作ってあげたり、もちろん外食しちゃうこともありますよ。お互いを甘やかしながら、“ありがとう”“お疲れ様”をちゃんと伝える。そうすると明日もお互いに頑張れるんです。

以前にタレントのヒロミさんが、奥さんの松本伊代さんについて“これからこの人と離婚することがあるのかなと考えたら、その可能性はない。とすると、あとは関係性を良くするしかないと思った”と話していて、確かにそうだなと思って。二人きり、逃げ場がないじゃないですか。これから5年10年と一緒に暮らすなら、いがみ合うよりも仲が良い方が居心地がいい。それが何よりもウェルネスだなと思って」

雑貨店hal店主後藤由紀子さん「久しぶりの夫婦二人暮らし」「推し活」「引き際」を語る【私のウェルネスを探して 後藤由紀子さん 後編】_6

夫にお願いしたことをやってくれなかったり、意思疎通がうまくいかなかったりすることもあります。そんな時もじっくり根気よく接することが大事、と後藤さん。

「カチンとくる時もありますよ。でも27年も経つと諦めもつくし、良いところも悪いところもあるのを知っています。それは向こうも同じだと思うんですけどね。1回ではできないと思ったら、3日続けて言うとか、1日おきに言うとか(笑)。そういう根気強さも備わってきました。あとは、何かしてもらったら“ありがとう!”“すごいね”と言って褒めて伸ばす(笑)。これも大事ですよね」

出張hal、Voicy配信、スナック…やっぱり人とコミュニケーションを取るのが好き

後藤さんにとって、推し活も大切な時間。大好きなバンド・真心ブラザーズに10年前にハマってからは、ファンクラブに加入し、ライブに行くことが一番の楽しみになっているそう。最新著書『雑貨と私』でも音楽好きということに触れていますが、自宅には500枚以上のレコードをコレクションするほど。先日東京で行われた真心ブラザーズのライブに行った時は、レコードショップを周り、「ヒップホップのお気に入りのアーティストのレコードが出ていたので買ってきました」と、嬉しそうに話します。

雑貨店hal店主後藤由紀子さん「久しぶりの夫婦二人暮らし」「推し活」「引き際」を語る【私のウェルネスを探して 後藤由紀子さん 後編】_7

最後に、『hal』のこれからと後藤さんのこれから。開店当初から今もずっと変わらず「来年の今頃はどうなっているかはわからないんです」と本音を語ります。

「最近は子育てが一段落したので、友人に会いに行きがてら積極的に出張『hal』を行っています。Voicyで配信をしたり、スナックをやったり。やっぱり接客、人とコミュニケーションを取るのが好きなんですよね。育児から手が離れたせいか、道端で見かける赤ちゃんに“ああ! かわいい!”とお世話したくてたまらなくなっています。『東京かあさん』(家事と育児をサポートするサービス)が静岡でも始まったら、ぜひ登録したいくらいです。

お店については、直近でイベントなどは決まっていますが、いつも引き際を考えながら続けています。SNSでよく“今度行きます!”とか“いつか行きたいです!”とメッセージを頂きますが、万が一私に何かあれば、明日お店があるとは限らないんです。できればすぐに遊びに来ていただけたら嬉しいです」

後藤由紀子さんに聞きました

身体のウェルネスのためにしていること

きちんと食べること、寝ること

雑貨店hal店主後藤由紀子さん「久しぶりの夫婦二人暮らし」「推し活」「引き際」を語る【私のウェルネスを探して 後藤由紀子さん 後編】_8

「栄養のバランスは、好きな物をバランスよく、あまりこだわりすぎず、3日間くらいで栄養バランスが取れるようにしています。手を抜いて、コンビニやマクドナルドで買うこともありますよ。気をつけているのは、朝ごはんを食べてトイレを済ませておくこと。お店をやっているので、お客さんをお待たせできないですからね」

心のウェルネスのためにしていること

自分へのご褒美、甘やかし
「仕事を頑張った時には自分へのご褒美に、お気に入りのピアスを買ったり、美味しいパンを買ったり。家事も楽できるようにロボット掃除機や食洗機などを積極的に使っています。自分を甘やかすことで、まわりにも優しくなれて、甘やかしてあげられます」

インタビュー前編はこちら!

雑貨店hal店主後藤由紀子さん「久しぶりの夫婦二人暮らし」「推し活」「引き際」を語る【私のウェルネスを探して 後藤由紀子さん 後編】_9
雑貨店hal店主後藤由紀子さん「久しぶりの夫婦二人暮らし」「推し活」「引き際」を語る【私のウェルネスを探して 後藤由紀子さん 後編】_10
すべての画像を見る

撮影/高村瑞穂 取材・文/武田由紀子

オリジナルサイトで読む