クリスマス、お正月など異教徒のイベントは参加NG
エホバの証人の信者は、子供を保育園・幼稚園に入らせないことが多い。咲里栄さんも通っていない。
その理由について綿和代表は「園で一般的に行われる、お誕生日会、七夕、クリスマス、お正月などの〝異教徒のイベント〝に参加させられないからです。日本では年が明けたときに年神様をお迎えして、『あけましておめでとう』という挨拶をしますが、こうした新年の挨拶を入れた年賀状を送るのもダメです」と説明する。
咲里栄さんはこう振り返る。
「私の場合、年賀状は出しました。でも、『あけましておめでとう』とは書かずに、『今年もよろしくお願いします』とだけ記入していました」
エホバの証人以外の友達と遊ぶことを含めて、一般的な日常生活は、宗教活動を減らすことに直結する。そのため交友範囲は制限されたという。
「私も福岡市内の駅前で、マガジンラックを立てた布教活動や、家への訪問勧誘もしていました。私は学校では明るい性格でしたので、布教活動をしている姿を友達に見られるのが最悪で、一番辛かったです。自分と家族がエホバの証人であることは誰にも言えませんでした。ただ仲の良い友達と遊ぶときは、母に『きっとこの子にはエホバを分かってもらえるから』と言っていました。布教はしませんが、そう言うことで、信者ではない子と遊ぶ許可を取り付けました」
咲里栄さんは本音ではもっと友達と好きな男の子やアイドル、音楽の話をしたかった。そして中学生になった。
「部活動は許されませんでした。夕方は家族で聖書や教団の書籍の勉強をしなければいけませんでした。好きな音楽はこっそり聴いていました。当時で言うと、ORANGE RANGEやHY、モーニング娘。
とかですね。でも聴きすぎると、母に『エホバとどっちが大切なの?』と叱られました」