アマゾンの急成長えお支えた靴のEC
大前 アマゾン創業者のジェフ・ベゾスは、世界最大の小売業を目指すと言っていて、実際にはウォルマートに続く世界ナンバー2の小売業になっている。けれども、本屋の後、相当苦労をし、失敗を重ねている。それを越えられたのは、靴をECで販売していた「ZAPPOS(ザッポス)」を980億円で買収したからだ。
本は注文すれば注文通りの本が届くし、航空チケットも、何時何分の何便のどこの席というものは一つしかないので、間違いようがないし返品は起こらない。けれども、靴は多くのサイズがあり、身体に合わなければ買えないので返品がどうしても多くなる。でも、ザッポスは返品自由にし、ロジスティクスを整えたことで成功できた。購入者は一度経験しておけば、このメーカーならこれくらいのサイズ、などの知見を得て、2回目以上の注文はうまくなっていく。だからこそ、先行者が勝つということになる。
このビジネスモデルに触れて、ベゾスは返品自由にした。そのために、ロジスティクスを構築し、プライム会員制を強化した。90年代半ばからずっと見てきて、「アマゾンが黒字になったら恐ろしくなる」と言ってきたが、実際にそうなっている。
この時代、リアル店舗は重要だが、必ずしも必要であるとは言えないし、店だけで完結することはなくなっている。一方でアマゾンがホールフーズを手に入れたようにECだけで完結するわけでもない。
小野里 なるほど。では、最近の小売業の潮流として、気になっていることは何ですか。