メール投稿でできたリスナーとの新たな関係

山本圭壱に「おい、ブタ!」 リスナーとの新たな関係性を築いた極楽とんぼ“伝説ラジオの番組”の革新性_2

宮嵜 『吠え魂』を放送しているころにちょうどEメールが出てきたんですよね。ハガキやFAXじゃなく、Eメールで投稿できるようになりました。
加藤 ちょうど変わり目だったよね。
宮嵜 その変わり目で、『吠え魂』はパーソナリティとリスナーの新しい関係を作れたと思うんですよ。番組では武闘派リスナーって言いましたけど、それまでのリスナーとの関係性って、深夜ではパーソナリティが兄貴的なところがありました。そこで即座にリアクションが来るEメールができてから、『吠え魂』では“山本さんvs加藤さん&リスナー”という構図が生まれて、リスナーから「おい、ブタ」「おい、山本」と言ってくる関係性ができたなって思うんです。今でも「おい、○○」みたいな形はありますし、新しい文化を作ったんだなって。
加藤 あれって突発的にできたものだよね。俺も覚えてるんだよ。俺が何かの件で「お前やれよ」みたいなことを山本に言ったんだよね。そうしたら、山本が「リスナーなんて嫌いなんだよ」って言い出したんだよ。だから、「おいおい、ちょっと待てよ」と。このラジオ聴いてるリスナーは本当に武闘派なんだよ。ラジオの中で武闘派が集まっている番組なんだから、お前えらいことになるぞ」みたいに言ったんだよね。
山本 加藤が煽ったから。
加藤 それで武闘派リスナーになりすまして、みんながおもしろいメールを送ってくれるようになったんだよね。
宮嵜 きっとリアルでは根暗なキャラなのかもしれないけど。
山本 俺がお休みしてから戻ってきたとき、宮崎県でやったラジオの一発目に、武闘派リスナーからの「おい、山本」が多すぎて困ったんだよね。
宮嵜 Eメールだと気軽だし、お金もかからないし、手間も省けるし、ラジオに大きなものをもたらしたなって感じました。