高騰に火をつけたコロナ禍
バイクショップに話を聞いてみると、旧車が値上がりした要因のひとつがコロナ禍だと証言する。
東京都内で2店舗を運営する「BIG FUN(ビッグ・ファン)」高円寺店の河田祥さんはこう話す。
「ブームのきっかけはコロナだと感じます。家にいる時間が増え、その息抜きとしてアウトドアが人気になり、オートバイにも注目が集まりました。
あと最近はYouTubeの影響も大きいですね。芸能人やYouTuberがバイクに関する動画をたくさんアップして、その人気もブームを後押ししています」
前出の渡部さんも同様に語る。
「コロナ禍でバイクでも乗ってみようかという人が増えました。うちの店は筑波サーキット(茨城)で走行会をしていますが、サーキットの走行ライセンスの取得率が前年比で200%になったと聞きました。
若い頃にバイクに乗っていた40〜50代のリターンライダーだけでなく、若者や女性も増えています」
コロナ禍でオートバイが注目され、免許取得者が増えたのは事実だろう。だが、なぜ古いバイクの価格が上がるのか。
実は車同様、半導体不足などの影響で新車を購入しづらい状況が続いており、旧車人気を後押ししている側面があるのだ。渡部さんは言う。
「新車をオーダーしたらいつ入ってくるのかわからない状態になっています。予約さえ受け付けてくれない車種がけっこうあります。
今のバイクはメイド・イン・ジャパンじゃありません。タイ、インドネシナ、インドなどいろんな国で部品がつくられていますが、コロナ後の需要の急拡大やロシアのウクライナ進攻の影響でコンテナの奪い合いになっているんです」