旧車高騰で「盗まれるのが心配」
1964年生まれで東京都内に住む会社員・福地竹虎さんは、オートバイの人気が高かった1980年代に青春時代を過ごし、若い頃からさまざまな車種に乗ってきたという。無類の自動車好きでもあり、学生時代からレースにも出場している。
「趣味はバイクとクルマ」と断言する福地さんは、古い国産バイクを5台所有している。旧車の中で最も価格が高騰し1000万円超えの車両もある1972年のカワサキZ1をはじめ、1977年のカワサキKH400、1979年のマークⅡ(Z1000MKⅡ)、1980年のホンダCBX1000。
この他、ヨーロッパのワンメイクレース用のレプリカモデルとして2000年代前半に発売されたBMWのR1100Sボクサーカップレプリカも持っているそうだ。
合計5台の現在の中古車市場価格は軽く2000万円オーバー! 福地さんは旧車価格が高騰する以前に、「若い頃に憧れていた」というこれらのバイクを購入している。
「趣味で乗っているので、バイクを売って儲けるつもりは一切ありません」と語る福地さん。
「実は古いバイク以外に新しいモデルを2台持っています。新しいのはツーリング用です。旧車はセキュリティが甘いですし、仲間とツーリングに行っても、道の駅でトイレに行ったり、お店でゆっくりとご飯を食べたりするなんて怖くてできません。
これでだけ旧車が高くなってしまうと盗まれる心配があるので、誰かが交代で見ていないといけませんから」
そう話し、苦笑いを浮かべる福地さん。今の、古いバイクブームを見据えて、自らの経験をもとに旧車購入の際に注意すべきポイントを説明してくれた。
「オリジナルにこだわるのか、走りにこだわるのか、それぞれの楽しみ方によって異なると思いますが、車両取扱い説明書と純正工具がついている車両は素性がまともだと思います。まずは、ここが大きなポイントになります。
難しいですが、さらに1オーナー車がベストです。あと、フレームとエンジンに刻印されたシリアルナンバーのマッチングを最低でも調べたほうがいいです。番号が離れていると、エンジンを載せ替えていることになりますので、そういう車両は買い叩いていいと思います。
購入前には、ある程度の勉強が必要です。私はカワサキZ系の世界中のカタログをほぼすべて持っています。そこまで集める必要はないですが、当時のバイク雑誌をインターネットのオークションで落としたりして、試乗記や特徴などを事前に調べたほうがいいと思います。
これだけ高騰していると、知識を持ってから売る側と接しないとダメですね。高騰前は失敗しても『まあ授業料だ』で済みました。今は高すぎるので……」