面白いマンガがそろわなければ作らない
――「勉タメジャンプ」を制作するにあたって、普通のマンガ雑誌との違いはありましたか?
学習雑誌はすでに面白い先行の雑誌さんがたくさんあるから、僕らが得意なところ、楽しいと思えるところで勝負しないと作る意味がない。なので、マンガ誌であることにはこだわっていきたいと思いました。
逆に面白いマンガがそろわなければ、無理して作る必要もないのではないかと。コンセプトとしては「週刊少年ジャンプ」で毎回やっていることと同じではあったので、「勉タメジャンプ」ならではのハードルはむしろあまり課さないようにしていました。
――コンセプトというのは、具体的には?
キャラクターマンガであるということです。科学を扱った『Dr.STONE』を例にするとわかりやすいんですけど、あのマンガの主役は科学ではなく、科学を使って困難を突破していく千空というキャラクター。
作品の面白さがキャラクターの魅力に集約されているというところは、「勉タメジャンプ」でも同じです。そこをきちんと守っていけば、読者の方がジャンプ的なものを求めた時に満足できる作品になるでしょうし、学習マンガとしてもエンタメの部分において非常にタフなものになるんじゃないかなという予感はありました。
――本田さんは『Dr.STONE』の連載を担当されていたそうですが、「勉タメジャンプ」を作るにあたって、その経験も大きかったのでしょうか?
そうですね。『Dr.STONE』って、まさしくちょっと大人向けの学習マンガみたいな作品なんです。科学の面白さをキャラクターと紐づけて展開させる、という作品の作り方を目の当たりにした時に、「このやり方を勉強すれば、学習マンガも編集できるかもしれない」っていう目論見はありました。
――「勉タメジャンプ」連載には、Boichi氏(『Dr.STONE』作画担当)、田村隆平氏(『べるぜバブ』『灼熱のニライカナイ』)、古舘春一氏(『ハイキュー!!』)といった超人気作家陣が集結していますが、選出の意図は?
子どもたちには、本当に面白いマンガを読んでほしい。だから、いちばん最初に思ったのは、僕自身が心の底から描いて欲しいと思える作家さんにお願いしたいということでした。
自信を持って「この人はすごいマンガを描ける、キャラクターを転がせる、面白いものを作れる」と言えて、あとは内容の相談をきちんとした上でチューニングができる作家さんというのが希望としてあって、そういう方々にお声がけしていったら、幸運にもこういうラインナップになりましたという感じです。