「武藤敬司の娘じゃなかったらあなたに価値はない」

「お父さんは、すべてをさらけ出して戦っていました。そのありのままのお父さんをファンの方々は自分の歴史と一緒にしていたことに気が付いたんです。それは、お父さんがいいことも悪いこともすべてをファンの人に堂々とさらけ出したからだと思います。
そう考えた時に私はお父さんと真逆の考えでシンガーソングライターとして自分の本当の存在を消してやろうと思った。だけど、それは違っていたんです。自分がどういう人間で何を考えているかを伝えることが観客の方々との関係性を築く第一歩だとわかりました。お父さんからはずっと前から『俺を利用しろ』って言われてきました。

なので、吹っ切れました。これからは武藤敬司の娘でいこうって。
今は私が第二の武藤敬司になろうと思っています」

3歳でピアノ教室に通った時にピアノよりもレッスンの中で音符にあわせて、自分で思いついた言葉を載せることに熱中した。これがベースとなり、タレントとして活動しながら自分で、作詞作曲をしていた。

「お前は1時間のバイトで1000円を稼ぐ。俺は1時間の試合でもっともっと稼ぐ。それが人間の価値なんだ」父の引退試合で二世であることを公表した武藤敬司の娘・霧愛の覚悟_3
ピアノは3歳から、ギターは13歳から弾いている

ギターは、中学2年の2014年8月に公開された映画「ホットロード」を見た際、主題歌の尾崎豊「OH MY LITTLE GIRL」がスクリーンから流れた時に「こんな風にギターを弾きたい」と決意し、独学で学んだ。高校で自ら軽音楽部を創設。そして2020年から本格的にシンガーソングライターとして活動を始め、YouTube、路上ライブで楽曲を発表している。

歌を通して伝えたいことは「希望」だという。そこには、中学1年の時の実体験がある。

「その時に友達から『武藤敬司の娘じゃなかったらあなたに価値はない』って言われたんです。その時に私は『確かにそうだな』って本当に思ったんです。それを言われたことは私にとって重要な言葉でした」