スーパーマーケットに銃を持った兵士、日々の空襲警報の中、「住民は普通に生活を続けようとしている」 ジャーナリスト佐藤和孝が見たウクライナの“日常”_3
佐藤和孝氏

「フィクサー」との現地取材

――取材で現地へ行く際はどのようなルートで入るのか?

ポーランドから入る。ルーマニアという手もあるが、他のジャーナリストなどもほとんどがポーランドから入国している。

ワルシャワからキーウまで、バスを使い約20時間かかる。列車もあるが、バスのほうが本数が圧倒的に多く、頻繁に便がある。

キーウからドンバス地方へ行くとなるとさらに7時間ほどかかる。

――現地での取材チームはどのような編成か?

私と(同じくジャパンプレス所属の)藤原亮司、それから現地で雇ったコーディネーター2名の計4名で動いている。

段取り役のコーディネーターは「フィクサー」と呼ばれている。情報収集を含めて、フィクサーの存在は重要だ。

私は英語とダリ語しか外国語が話せないので、住民などに話を聞く際はフィクサーを通じてコミュニケーションを取る。

スーパーマーケットに銃を持った兵士、日々の空襲警報の中、「住民は普通に生活を続けようとしている」 ジャーナリスト佐藤和孝が見たウクライナの“日常”_4
取材チーム。藤原氏と「フィクサー」と呼ばれるヤン氏、アレックス氏

――取材中、現地ではどんな生活をしているのか?

今回は2月11日から3月1日までの取材だった。ホテルだと宿代がバカにならないので、Airbnb(エアビーアンドビー)で一軒家を手配し、今回は3度滞在先を変えた。

朝は5時に起床し、朝食をとって8時に出発。昼食は大体いつも食べられない。戦闘地域に近づくと食事どころではない。

腹に入れられるときに入れておく。夜戻ってきて、酒を飲みながら翌日以降の打ち合わせをする。夜10時になると眠くなるので寝てしまう。

2022年3月に行ったときは酒の売買が禁止されていた。キーウでは日本酒も見かける。