Web上で家の仕様を固められる
同サービスでは、どんな間取りにするか、どのエリアに家を建てるか、キッチンやバス・トイレなどの住宅設備をどうするかといったプランニングが、Web上でひととおり完結できるようになっている。いわゆるセミオーダー住宅で、用意された複数のプランから好みのものを選ぶタイプだ。
Webだけでプランを固められるのは簡潔で良い部分もあるが、間取りや仕様に関して要望を出したいという人も出てくるのではないだろうか。
「サポートはビデオ会議のみの対応になります。また、サービスの特性上、細かなご要望にはお応えできかねます。お客様の要望に応えて家のカスタマイズをしても、家の価値が上がることは稀だからです。投資物件という側面があるため、価値の上がらないことにコストをかけにくいという現実があります」
誰もがマイホームを実現できるというのは夢のある話だが、夢だけでは家を建てられない。対面での打ち合わせができない点や住宅の細かな仕様変更に応じられないという不自由さは、あらかじめ理解した上で利用する必要があるだろう。
「『それでもいいからマイホームが欲しい』という人を対象にした、ある意味で間口の狭いサービスではあるのですが、おかげさまでたくさんの反響をいただいています。入居審査の申し込みをされたお客様は、累積で言うと400件くらい。しばらく順番待ちしていただいているお客様もいらっしゃいます」
ひと口にマイホームと言っても、人によって思いはさまざまだろう。細部にまで夢を詰め込んだ自由設計の家が欲しい人もいれば、スッキリとしてシンプルな家のほうがいい人もいる。夢のために長期のローンを覚悟する人もいれば、住宅ローンのリスクを回避したい人もいる。
家に対する価値観もライフスタイルも多様化してきた今、家を建てる方法にもたくさんの選択肢があってもいいはずだ。同サービスのような譲渡型賃貸住宅は、これからの選択肢の一つとして定着していくのかもしれない。
取材・文/小平淳一