また、外から自社を客観的に見ることで、自社の強みを再確認することもある。研修の一環として全くの異業種に出向していた若手の話もある。
異業種であるため、当然経験したことのない仕事に直面し、自社を頼ってアドバイスを求め、今まで注目もしていなかった部署に、素晴らしい人材やノウハウが存在することに気が付いた。
「自分の会社に、異業種の専門家をもうならせるようなスペシャリストがいるとは思わなかった」そうである。
外での活動がもたらした視点は、自社の見方をも変える力がある。ただし、残念ながら、社外活動を経験した若手について分析すると、転職率が上がっていることもわかった。
同調査によれば、新卒者の入職3年以内の離職率は、社外活動をした若手は26.0%、経験しなかった若手の16.1%よりほぼ10%もポイントが高い。
改めて、「外を見て、自社のことが好きになるが転職率が上がる」ことを良しとするか否かは、今後の職場と若者の関係を占う分かれ道だと言えよう。
文/古屋星斗
会社を辞めると言い出した若者を引き止める自信はありますか?「社外活動を認めることで分かり合える」。目指すべき、若者と職場の新しいギブアンドテイクの循環とは
現代の若者たち(特に2010年代後半から新入社員として働いている人々)が置かれている状況を正確に伝える一冊、『ゆるい職場 若者の不安の知られざる理由』(中公新書ラクレ)から、若者たちと職場の新しい関係についての考察を紹介する。(サムネイル、トップ画像/shutterstock)
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