闇バイトの実行犯は素人。簡単に“チンコロ”する

特殊詐欺とは具体的に、振り込め詐欺や還付金詐欺や融資保証金詐欺、なりすまし詐欺、未公開株や外貨、暗号通貨などの投資詐欺、不動産投資詐欺などを指すが、組織によって、得意とする種類やシステムが異なるという。
SNSなどで実行犯となるメンバーを集め、役割ごとに仕事をさせるが、集まってきたメンバーには全員が偽名を名乗るので、彼らは上にどんな者がいるのかを知ることはできない。

「応募してきたヤツには“タタキ”という強盗や窃盗をおこなう仕事だと説明する。犯行の日時が決まればメンバーに知らせ、実行犯同士は現場で初めて顔を合わせることになる。寄せ集めのメンバーだからチームワークはない。
犯行の手口も素人だ。足跡も指紋もべたべた残していくし、防犯カメラに顔をさらすヤツもいる。それだけ逮捕される確率も高くなるし、捕まれば簡単に“チンコロ”する」(Y氏)

「実行犯らの報酬は40%」「指示役の顔も名前も明かされない」闇バイトに応募して“タタキ”をする素人の実態。ターゲットのリストは1件10円~数万円で取引されることも3
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チンコロとは告げ口を指す隠語で、警察などに簡単に犯行を白状することである。

「チンコロしても互いに面識がなければ話しようがないんでね。自分が知っている限りでは、犯行現場の下調べは闇バイトで集めたやつらにはやらせない。メンバーへの指示役は顔を見せることはなく、犯行の手順などは他人名義のスマホやプリペイドのスマホをメンバーに渡して、そこへ指示を送るだけ」(Y氏)

中野区の事件も稲城市の事件も、首魁とされる人物(渡辺優樹容疑者・38)とその一味が指示役として関わっていた疑いがもたれている。指示はフィリピンから発信されているが、Y氏によると、特殊詐欺で検挙された組織は以前はフィリピンや韓国が主流だったが、昨今はタイを拠点としていることが多いという。