いざというときのために持ってきていた
ミリメシを活用することに

いくらダイエットのためとはいえ、朝から晩まで何も食べないわけにはいかない。
だから行く先々のスーパーやコンビニで、カロリーや糖質量の表示を気にしながら買ったものを食べつつ旅をしていたのだが、食品ストッカーとして使っているクーラーボックスの中には、実は家から積んでいった食べ物も入っていた。

真冬の車中泊の旅―四国のど真ん中で食べた初めての“ミリメシ”が五臓六腑にしみたワケ_2
晩ごはんはこれだけ、という感じで頑張ることにした

それは“非常用糧食”と呼ばれる、自衛隊員が活動中に食べるレトルト食品、いわゆる“ミリメシ”である。

パッケージや内容などに多少のアレンジを加えて一般発売されているミリメシもあるようだが、僕が携行していたのは、とあるルートから入手した非売品。
自衛隊で実際に使われている、正真正銘の実物だ。

ミリメシにはほかに“戦闘用糧食”というのもあるが、“非常用糧食”の方は主に災害派遣等の現場で隊員が食べるものなのだそうだ。

防衛省・自衛隊のホームページでの紹介見ると、「発熱材で加熱することができるので温かい食事が取れる上、長期間の活動になっても飽きがこないよう、和・洋・中、あるいは肉・魚料理等の献立がバランスよく設定されています。水だけあれば簡単に暖かいご飯が作れます。」とある。

さて、既にあれ? と思った人もいるかもしれない。
ミリメシってカロリー高いんじゃないの? ダイエットになるの? と。

そうなのだ。
自衛隊員が訓練中や活動拠点で力をつけるために食べるものだから、ミリメシは栄養価の高い食品のはず。
だから一日中座って車を運転している僕が、もしも毎日食べていたら、ダイエットどころか逆に体重を増やす結果になるだろう。

でもいくらダイエットをしているとはいえ、大の大人である僕が11日間、厳密な低カロリー食を貫いたら、体も心もおかしくなってしまう。
そこで、「店で食事をしない」というルールだけは守るため、何日かに一度、今日はしっかり食べると決めた日には、ミリメシを食べて耐え抜こうと考えたのだ。

“非常用糧食”とは、決死の覚悟であるそんな僕を奮い立たせるネーミングでもある。