なじませた差し色使い
――ちなみに 今回の画集で使われているブルーとピンクの差し色はどのように決められたのでしょうか?
名久井 これはですね…先にピンクを使おうと決めていました。
作品ごとに目印を入れたいわけだけど、収録する原画の横幅を狭めたくなかったので、斜めにして乗せちゃおうと。どの絵にも蛍光ピンクの要素が入っているから、重なっても馴染むんですよ。
くらもち 蛍光ピンクってオールマイティに使える色ですよね。
名久井 そうですね。蛍光100%になると絵より派手になってしまうから、そこは落として使うように気をつけました。
くらもち ピンクと言ってもどのピンクでもいいわけじゃないんですね。
名久井 蛍光ピンク100%ではなく、マゼンタ(赤紫)とイエローも混ぜることで少し色味を弱くしています。自分では派手な色というより、落ち着く色かなと思って採用しました。このピンクと対となるようにしたのがKURA VOICEの見出し部分の水色です。そこからカバーの色に近づいていく感じですかね。
対談<下>につづく
デビュー50周年記念くらもちふさこ展―デビュー作から「いつもポケットにショパン」「天然コケッコー」「花に染む」まで―
<開催地>弥生美術館
<開催期間>2022年1月29日(土)〜2022年5月29日(日)
<リンク> https://www.yayoi-yumeji-museum.jp/yayoi/exhibition/now.html
ⓒくらもちふさこ/集英社
撮影 細川葉子
取材・文 ハナダミチコ