「ウケるんだったら何でもやります」

——今大会は、観覧者が拍手をするシーンが目立ちました。演者サイドからすると、その拍手の受け止め方が難しかったそうですね。

青山 テレビで観ていた人は「めっちゃウケてたな」って言うけど、やっている方は、そこまでウケてた感覚がないんです。

和田 拍手があった、ぐらいの感覚なんです。なんかハマり切ってないなという感覚でやっていました。とはいえ、重いのも嫌なんですけど。

青山 重いよりは、まだいいか。

――そこは本当に難しいんでしょうね。お客さんの反応次第で、ネタの見え方って、まったく変わってしまうところがありますもんね。でも、ここぞというところでは、やはりドッとウケている印象はありましたが。

和田 笑い声が起きたところは、そうですね、ウケてる感じはありましたね。

——和田さんはセリフの抑揚が、いつも独特じゃないですか。恋敵役の青山さんが花嫁を奪いに来て「あんた誰だよ!」と逆ギレされたときも、怒り狂うわけでも絶望するわけでもなく「お前が誰だ?」とどこか挙動不審な様子で返す。あれが妙にリアルで、思わず笑ってしまうんですよね。どうしたら、あそこの演技にたどり着けるのですか。

和田 吉本だからでしょうね。劇場が多いぶん、めちゃくちゃステージに立てる。その中で、いちばんウケた言い方をしているだけです。

岸 ウケりゃいい。

青山 ウケるんだったら何でもやります。

「僕らにポリシーとかコント愛はないです。ただ…」ネルソンズの3人が口を揃える“譲れないモットー”とは_3
昨今はコント愛を語る芸人が多い中、「ポリシーよりも、ウケれば何でもいい」と語る岸

――そのスタンスは、一つの正解ですもんね。

和田 僕らはポリシーとかないんです。コント愛みたいなのもない。自分らに対する愛はありますけど。コントは自分らがウケて人に褒めてもらうための道具みたいなものなんです。だから、僕の中で、このセリフはこう言いたいとか、こう言うべきだみたいなものはまったくないんです。