キングオブコント独特の「ドーン」で明転
——決勝進出が決まったことをマネージャーから伝えられたときの動画があるじゃないですか。そのときの喜び方が10組中、いちばん派手でしたね。太田さんが飛び上がっているのを見て、ある芸人さんが「本当に犬みたいに喜んでました」と笑っていました。
太田 僕は半々ぐらいの感覚だったんです。受かっても落ちても不思議じゃないな、と。自分たちもウケたという手応えはあったんですけど、準決勝は全組、拍手笑いが起きてたような感じだったんですよ。なので、ガチャってマネージャーが入ってきたとき、めちゃくちゃ心拍数が上がりました。きたっ! って。
——マネージャーが結果を伝えに来たとわかったわけですね。
太田 はい。もう2時間ぐらい待っていて。動画を回しながらマネージャーが入ってきた瞬間、ちょっとニヤニヤしてるように見えたんです。「これは、もしかしたら……」と思いましたね。そうしたら、本当に合格だったんで、よっしゃー! ってなって。
——準決勝がいちばん緊張するという人もいれば、やっぱり決勝がいちばんドキドキしたという人もいます。2人の場合はどうでしたか。
有馬 僕は準決勝も決勝もガチガチでしたね。ずっと緊張していました。
太田 僕はどちらも楽しもうという方向にマインドを持っていけましたね。
——傾向として、ネタを考えている人のほうが絶対緊張していますよね。いぬでいうと、だから、有馬さんですよね。
有馬 準決勝の出番前とか、僕はかなり前から袖でスタンバイしているんですけど、相方はどこかへ行ったり、後輩としゃべったりしていて。それがほんとイライラするんですよ。「もっと気持ち入れてくれよ」って。僕はずっとピリピリしていましたね。
太田 決勝のリハーサルがいちばん緊張したかな。キングオブコントってネタの開始時、「ドーン」って音が鳴って舞台が明転するじゃないですか。あれをリハーサルで実際に体験して、一気に緊張がきました。いよいよキングオブコントが始まるんだな、って。
有馬 緊張するよね、あれ。
——コントで、ああいう始まりは普通ないものですか。
太田 ないですね。キングオブコントだけだと思います。