コント中、きょんの手がブルブル震えてて
――おまじないが全然、効いてないと。
西村 さっきまで「ワラムゲ、ワラムゲ」って言ってたのに、もう普段通りじゃないって言ってるようなもんじゃないですか。それに悪いけど、この1年、ネタをがんばって書いてきたのは俺で、どういうつもりで言ってんだよ、と。
そうこうしているうちにネタがはじまったんですけど、僕は最初のセリフを言ってからも、頭の中できょんの「俺に任せろ」がまだ響いてました。
――コットンの1本目は『証拠』と呼ばれるネタでした。浮気の証拠を隠滅する「浮気証拠バスター」を演じるきょんさんが、浮気をしてしまった西村さんの家にやってくるところから始まるんですよね。
西村 そうです、そうです。で、僕に続いてきょんが「お邪魔します」って入ってきて、警察手帳のような身分証明書を提示するんですけど、その手が、ブルブルブルブル震えてて。僕、思わず笑っちゃいました。10秒前に「あとは俺に任せろ」って言ってたやつがですよ。「任せられるか!」と思って。
——きょんさんは出番前、急にちょっと変なエンジンがかかってしまったのですか。
きょん わかんないんですよ。ほんとに。なんであんなこと言っちゃったんだろう。1本目は僕のパフォーマンス次第というネタでもあったので、グッと力が入っちゃったのかもしれませんね。本番中も、自分では震えてるっていう意識はなかったんですけど、今思うと、1本目は死ぬほど緊張していましたね。
——見ている限り、そこまで緊張しているようには見えませんでしたし、大きなミスもなくできたんですよね。
西村 まあ、いいパフォーマンスは出せました。