富裕層優遇批判への対策
続いて生涯投資枠の1,800万円についてですが、これはNISA制度で投資できる金額の上限です。これは時価ではなく簿価ですので、買付金額の上限です。これがなければ、富裕層の税金逃れだという批判が生まれるため、上限があると思っておくといいでしょう。
事実、一人当たり1,800万円の枠がありますので、夫婦であれば3,600万円。さらにiDeCoなどもありますので、老後準備としては十分すぎる金額です。
つみたて投資の場合、「126の法則」を利用すればおおよそ何年で元本が2倍になるかを計算することができます。仮に6%の運用益が期待できる場合、126÷6で計算して出た21という数字が2倍になる年数ということになります。
つまり、6%の運用益が期待できる商品に積立投資すればおおよそ21年近くで元利合計が元本の2倍になるということです。そう考えれば、フル活用できる人はいわゆる老後資金2,000万円問題も余裕でクリアできるはずです。
一般庶民と呼ばれる人が、老後に向けて元本だけで1,800万円も拠出できるかは疑問ですが、個人投資家としてはこれ以上ないほどの税優遇措置です。
また、この生涯投資枠には現行のNISA制度で投資している金額は含まれません。もし、2018年からつみたてNISAで毎年40万円投資していた人であれば、2018年〜2023年の6年間の合計240万円に加えて、2024年以降にNISA制度で最大1,800万円を利用できます。