子どもに職業を伝えるのに抵抗はないか?

――どんな職業であっても、家族を養うのは大変なことです。お子さんに対して、セクシー男優という仕事をしていることについてはどう説明しようと思っていますか?

僕は僕の人生だし、子供は子供の人生。
僕みたいに『AV男優だけど何か?』と堂々と、目標と意味を考えて生きていれば、その背中を見て『ああ、なるほど。こういう生き方もあるのか』ってなると思います。自分の仕事に対して、後ろめたく感じていたら、その後ろめたい感じを子どもは察するんじゃないでしょうか。

多くのAV男優は彼女ができると急に弱くなるんです。失うのが怖いじゃないけど守るものができたというか……。僕が世の中に感じているニーズは、そういうことでは揺らぎません。息子は僕のYouTubeを見てくれています。だから『パパはちんちんのYouTuber』ってよく言ってます。

〈しみけんインタビュー120分〉カリスマセクシー男優しみけんに「元妻(はあちゅう)との離婚」「親との関係性」「子どもに職業をカミングアウトするのか?」家族のこと全部聞いてみた_6
はあちゅうさんのブログより

――自分の職業によって子どもが学校でイジメられたりしないだろうかと、心配になることはないのでしょうか?

自分だったら全く心配しませんが、子どものこととなると心配することはあります。もしも、僕の仕事によっていじめられたり嫌なことを言われたりしたら、相手を納得させる言葉を一緒に考えようと言っています。
僕には最初に結婚した妻とのあいだに思春期の娘が二人いるんです。娘からもそういう相談をされたことがありました。そのときに『馬鹿にしてくる人を見返してやる一番の方法はなんだと思う?』と尋ねて、二人でじっくり話したんです。

僕は『自分が幸せなところを見せることだ』って言いました。ちなみに長女は1人で東京に来て『パパ一緒に渋谷歩いてよ』などと言うんです。渋谷を歩くと、ありがたいことに『しみけんだ!!』ってファンの方が声をかけてくださる。それをニヤニヤしながら見ていますね。誇らしいと思ってくれているようです。

――AV業界以外にも、風俗や夜の仕事、芸能パパラッチなど、子どもに説明しづらい仕事は多いです。そんな仕事に就くパパやママたちにアドバイスはありますか?

自分の仕事を『どう子どもに説明したら傷つけずに伝えられるのか』という部分で悩むのではなく、『自分が仕事に誇りを持てるようにするにはどうしたらいいのか』と人を納得させる言葉と行動を考えた方がいい。人生に無駄はないし、何事も経験を積んでいるんだと親が前向きに捉える姿勢を見て、子どもは育つんじゃないかな。僕はこれからも自分がもつポジティブさを小さな息子に見せていきたいですね。

〈しみけんインタビュー120分〉カリスマセクシー男優しみけんに「元妻(はあちゅう)との離婚」「親との関係性」「子どもに職業をカミングアウトするのか?」家族のこと全部聞いてみた_7
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セクシー男優という自身の仕事に“誇り”を持ち、カリスマ男優としても名高い、しみけん。だが現在、そんなしみけんでさえ、仕事が激減し、窮地に立たされている現実がある。一体アダルトビデオ業界に何がおきているのか…続編で詳報する。(文中敬称略)


取材・文/ 中山美里 集英社オンライン編集部ニュース班
撮影/Soichiro Koriyama

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