Googleが純正スマートウォッチを発売する背景
Googleはこれまでに「Wear OS」という独自のウェアラブルデバイス向け基幹ソフトウェアを提供してきました。Wear OSは有名な腕時計やIT通信機器のメーカーによるスマートウォッチに広く採用されていますが、Googleが自社で手がけるスマートウォッチは、「Google Pixel Watch」(以下、Pixel Watch)が初めてです。
Googleはなぜ今、独自にスマートウォッチを商品化したのでしょうか? その理由は複数あると筆者は考えています。
まず、米国や日本で好調を維持するスマートフォン「Google Pixel」シリーズを足がかりに、今後も堅調な成長が期待できるヘルスケア/フィットネス市場に本格進出するのであれば、いまが一番の好機とGoogleは判断したのでしょう。
同社の強みは、スマートスピーカーである「Nest」シリーズや、Googleアシスタントと連携する外部パートナーのスマート家電機器による「強力なエコシステム」があることです。
このエコシステムにPixel Watchによって取得されるユーザーのヘルスケア/フィットネス情報がリンクすることにより、新しい独自サービスを生み出すこともGoogleは計画しているのかもしれません。
そのゴールを達成するために、Googleは大手フィットネスブランド「Fitbit」をグループ傘下に置きました。Fitbitのソフトウェアを活かした高精度なヘルスケアとフィットネスのトラッキング機能は、他社製品にはないPixel Watchの大きな特徴にもなっています。
なお、Pixel Watchの税込価格はWi-Fiモデルが39,800円、ウォッチ単体でのLTE通信に対応したモデルが47,800円。LTEモデルはKDDIとソフトバンクが取り扱っています。
Apple Watchの廉価モデル「Apple Watch SE」とほぼ肩を並べる「お値頃感」も魅力ですが、コスパ以外にも筆者がPixel Watchに注目したいポイントが4つあります。