Apple Watchが命の危機を救ってくれる
「Apple Watchが人々の命を救った」といった内容のニュースが、幾度となくメディアで取り上げられてきた。実際、Apple Watchには装着者の緊急事態を救うための機能がいくつも搭載されているが、確実な安心を得るには、それらの機能の使い方を正しく把握しておく必要があるだろう。
まず覚えておきたいのは、「緊急SOS」の機能だ。Apple Watchのサイドボタンを長押しすると「緊急SOS」という項目が表示され、それを選ぶと緊急通報ができるというものだ。日本では、「警察」「海上保安庁」「火事、救急車、救助」の3つの選択肢が表示される。急に体調が悪くなったときにこの機能を使って救急車を呼べば、ユーザの位置情報も同時に送られるため迅速な対応が期待できる。
さらに、Apple Watch SEや Apple Watch Series 4以降なら「転倒検出」機能も利用できる。ユーザが激しい転倒をした場合、画面に「ひどく転倒されたようです」というメッセージが表示され、そこから緊急SOSをかけられる(問題ないときはキャンセルが可能)。この時点で反応がない場合、Apple Watchは1分後に緊急通報を行う。つまり、意識を失うような緊急事態に陥っても、自動的に救急車を呼んでくれるのだ。
ただし、転倒検出を利用するには、「設定」で転倒検出をオンにしておく必要がある。自分のApple Watchの設定がどうなっているか、念のため確認しておこう。
事前準備という観点では、「メディカルID」の設定も重要だ。メディカルIDとは、自分の血液型や既往歴、アレルギーといった医療情報を記録したものだ。緊急時に本人の意識がなくても、救急隊がApple WatchでメディカルIDを表示させることで適切な処置が行えるようになる。
また、メディカルIDには「緊急連絡先」を登録しておける。Apple Watchのユーザが緊急SOSを発信すると、緊急連絡先にもメッセージが飛び、ユーザの位置情報が示される。メディカルIDの内容は、Apple Watchの「設定」→「ヘルスケア」→「メディカルID」から編集できるが、iPhoneの「ヘルスケア」アプリ上で編集したほうが操作しやすいだろう。万が一に備え、忘れずに登録しておこう。