Aくんの母親は判決に…
冒頭の卒業生の母親は嘆く。
「判決のニュースは新聞やテレビで報じられました。被害生徒もいますし、学校側もメンツがあると思いますが、なぜ控訴したのか…。これによって卒業アルバムの制作が止まってしまったわけですが、事件とはまったく関係のない元3年生にとっては完全なとばっちりです。しかも学校側は一部の生徒や保護者に『2,3か月ほど遅れる』と断片的な説明しかしなかったため、報道を知らなかった親は意味がわからなかったようです」
結果、学校や県教育委員会に保護者からの問い合わせが殺到、学校側は1枚のプリントを卒業生各家庭に送付した。
〈これまでに保護者や卒業生の皆様から「いつ届くのか」「なぜこのようなことになっているのか」という多くの問い合わせをいただいておりますが、その見通しがたたない理由は、2月26日に新聞等に報道された事由について現在も県教育委員会が係争中であるためです〉
10月17日におこなわれた東京高裁の判決で高裁は控訴を棄却、学校側は上告を諦め、11月2日、Aくんの卒業が認定されたという。
「6月以降、学校からは何も連絡もなく、控訴が棄却されたことを私たちは新聞で知りました。この判決に先生たちは悔しがっていたようですが、今さら卒業証書を渡されたAくんはどう思うのでしょうか。友達と寄せ書きもできないし、楽しい思い出を振り返るより“事件”を思い出してしまい、複雑な心境だと思います」(前同)