「東京ラーメン」は醤油ではなく濃厚豚骨醤油味だった

 「東京ラーメン」にも、意外な出自があった。

たこ焼きのルーツ、ラジオ焼きとは? 東京ラーメンは濃厚豚骨醤油味だった? 知られざる食トリビア集_3
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「いわゆる醬油ベースの『東京ラーメン』はそば屋が開発したメニューです。その先祖は横浜中華街で親しまれた広東料理の『柳麺』。広東では“ラウミン”と発音するのですが、これが“ラーメン”の語源です。

その後、浅草の來々軒が柳麺を“らうめん”として明治末の東京に持ち込みます。このメニューは豚骨をグラグラ沸かせたガッツリ系の濃厚豚骨醤油味で、具は乗っていませんでした。

大正時代になると多くのそば屋がメニューにラーメンを加えはじめ、そば屋らしく、鰹節などの和風だしが加わり、トッピングに『おかめそば』のなると、ざるそばの海苔が加わり、東京ラーメンとなったのでした」

戦前から「スパゲッティナポリタン」はフランス料理?

麺といえば、パスタ。日本発で知られる「スパゲッティナポリタン」も実は…?

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「戦後に横浜のあるホテルが発明したとの噂がありますが、『スパゲッティナポリタン』はもともと戦前からあるフランス料理。

スパゲッティをトマトピューレ、チーズ、バターで和えた、メイン料理の付け合せでしたがそれが次第に一品料理になり、トマトピューレがトマトケチャップで代用されるようになったのが、現在、私たちの知るナポリタンです」

串カツは大阪発、ナポリタンは日本発……言わずと知れた常識も、そのルーツを探ると必ずしも正しいとはいえないようだ。