女性のセックスのモチベーションは…
セックスに対して快楽を求めるのは決して悪いことではありません。最高に気持ちのよいセックスを体験することは、人生を非常に豊かにしてくれます。ただし、その喜びは、性のパートナーと共有できることが理想です。
武士道で尊ぶべき価値観に「仁」があります。仁とは、他者の価値観を尊重し、相手を思いやる心のことです。その心が自らの言動を謙虚にして「礼」を生みます。礼は、社会のなかで表現する「礼儀」として、さまざまな所作の型を生みました。
つまり、「愛情表現としての性交渉をしたい」という女性の心に「仁」と「礼」をもって答えることが、射精道の基本理念であり、同時にセックスレス解消の糸口になるはずです。愛情を示す礼儀とは、それを示す言葉と所作です。愛情は自分の中に秘めていても相手に伝わることはありません。言葉と行動で示すことが、セックスの相手に対する仁、礼を示すことにつながります。
僕がこれまでのカウンセリングのなかで、夫を拒否する女性たちからよく聞いたのは、「昼間はむっつり黙って話もしないのに、夜になるとゴソゴソとベッドに入ってくる」というような話です。女性にとっては、日常生活のなかの言動も、セックスに至る愛撫の一つであることが分かります。
日常の中で心が通う会話もなく、キスもせず、手も握らないのに、セックスだけはしようというのは、「仁」や「礼」に欠けた行為であると考えるべきでしょう。女性にしてみれば、自分に対してそんな扱いをする相手に「愛情を表現するためのセックス」をする気になれないのは、無理もありません。
また、セックスの後に何の余韻もなく背中を向けて寝てしまう、相手が満足していないのに自分だけ射精して終わり、というのも、「仁」や「礼」に欠けた行為と言えます。射精道の精神を養い、セックスの後の腕枕がさりげなくできる、状況に応じた素敵なピロートークができる、アフターセックスを大事にできる男性になりましょう。
これは、男性に限らず、当然ながら女性にも当てはまる話です。