Dynamic Islandの衝撃
iPhone 14 Proシリーズにおける2つ目の変革は、「ノッチ」と呼ばれるディスプレイ上部の切り欠きを廃止したことだ。
その代わりに、ちょうど薬のカプセルのような切り欠きが画面上に用意され、その中にフロントカメラやFace IDのためのセンサーが収められた。この手法自体はスマートフォン全体を見ても珍しいものではないが、その実装にはAppleらしさが随所に発揮されている。
この新しい切り欠き部分には、「Dynamic Island」(ダイナミック・アイランド)という名称が与えられた。確かに、画面の中にポツンと浮かぶ“アイランド(島)”のように見えるが、ここで重要なのは「ダイナミック」の部分だ。
Appleは、この黒い領域を単なる邪魔な部分とせず、iOS 16の通知やデバイスの接続、通話・メディア再生、Apple Pay、Face IDの表示など、操作中に割り込まれてくる処理を表示する領域としたのだ。
たとえば、「ミュージック」アプリで音楽を再生してホーム画面に戻ると、Dynamic Islandは黒い領域を拡大させ、アルバムアートと再生中を示すアニメーションが左右端に表示される。タップすれば「ミュージック」アプリに戻り、長押しすると黒い部分がさらに拡大し、再生情報とコントロールが表示される。このように、Dynamic Islandは非常にインタラクティブに機能する領域になっているのだ。