プロモデルに訪れた2つの変革
一方のiPhone 14 Pro/iPhone 14 Pro Maxは、「スマートフォンの常識」を否定する、Appleにとってチャレンジングなデバイスだ。今回の発表では、2つの変革が用意された。1つはカメラ。そして、もう1つはディスプレイだ。
iPhone 14 Proシリーズには、4nm(ナノメートル)プロセスという、スマートフォンとしては初となる微細化を実現した「A16 Bionic」チップを搭載している。同チップは6コアのCPU、5コアのGPU、16コアのニューラルエンジンなど、設計自体は大きく変わっていない。となると、微細化は省電力性の向上に寄与することになる。
その上で、iPhone 14 Proにおける1つ目の変革は、これまで長らく1200万画素だったカメラを、4800万画素へと進化させた点だ。
画質と画素数の関係は、必ずしも比例しない。いくら画素数が多くても、画像センサーが小さいと、特に色や暗所のディテールが劣ることになる。そのためAppleは、1200万画素を維持しながら、センサーサイズを拡大させる高画質化を行ってきた。
その思想はiPhone 14 Proシリーズにも引き継がれており、実際iPhone 13 Proシリーズよりもセンサーサイズを65%拡大させ、ピクセル数は4倍になった。その上で、通常は4800万画素のセンサーから出力される画像は1200万画素と同じサイズの写真だ。4つの画素を1つのグループとして、より多くの光を1画素に注ぎ込むことで、光学的な高画質化を行うというアイデアだ。
また、4800万画素のProRAW撮影にも対応するが、1枚の画像を保存するのに3秒ほど要する。こちらは普段の気軽なスナップというよりは、クリエイティブ用途に対応する撮影機能と位置づけるべきだろう。