第3位:『エル・マリアッチ』(1992年)

制作費6000円のゾンビ映画も!? 制作費3万ドル以下の「低予算映画」ベスト5_3

僅か〝7000ドル〟の低予算をものともしない優れた出来栄えでその名を轟かせた、ロバート・ロドリゲス監督作が『エル・マリアッチ』(1992年)である。

ストーリーは、「黒い服を着た、ギターケースを抱えるギャングと、その敵対組織との抗争に巻き込まれてしまった若きマリアッチが、人違いから数々の修羅場を潜り抜けつつ、とある美女と恋仲に落ちる」というもの。

凡百の低予算映画とは異なり変化に富んだカメラワーク、さりげなくも鮮やかなワンショットの数々は、なるほど7000ドルという数字を感じさせない仕上がりだ。クライム・アクションとラブ・ロマンスを半々に織り込んだ物語はシンプルであるがゆえに入り込みやすい。ハッピーエンドとは言い難いものの、苦み走った中に前向きな明るさを備えたラストも印象深い。

なお本作、続編の『デスペラード』(1995年)及び『レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード』(2003年)と併せ、〝マリアッチ三部作〟として親しまれている。