岸田総理は冒頭18分間で原稿を読み上げた後、約28分間にわたって計8名(幹事社2名を含む)の質疑応答がなされたが、率直に言って中身のない内容ばかりであった。
岸田総理は冒頭、原稿を読み上げながら「内閣改造の狙い」に大半の時間を費やす一方、世間から注目を集めている旧統一教会と自民党の癒着については、最後にわずかに触れたのみ。その内容は以下のようなものだった。
・岸田総理自身は当該団体とは関係はない
・閣僚には当該団体との関係を点検し、見直すことを了解した者のみを任命した
・閣僚にはさらに2点(信教の自由は尊重すべきだが法令から逸脱する行為があれば厳正に対処する、法務大臣及び関係大臣には不法行為の相談、被害者救済に万全を尽くす)を指示した
今回任命された閣僚にも、複数の旧統一教会関係者がいることが既に明らかになっていたにもかかわらず、まともな説明は皆無だった。さらにひどかったのが、記者たちの質問内容だ。
質問できた記者8名のうち、旧統一教会について質問したのは僅か1名(2人目の東京新聞・金杉記者)にとどまった上、聞き方も甘い(党として問題を調査する考え、政策に与えた影響、安倍元総理がビデオ出演したことの是非、等)ため、岸田総理はこれまでも繰り返してきた形式的な説明を読み上げるだけで回答を済ませてしまう。
他の7名は旧統一教会には触れなかった上、さらに生ぬるい質問(内閣のネーミング、補正予算編成の考え、国葬反対の声への受け止め、等)に終始した。
はっきり言って、これらの質問や回答は詳しくチェックする価値すら無いと思えたが、念のため以下の2枚のスライドに示す。
*会見の冒頭発言と質疑全文は首相官邸ウェブサイト https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/statement/2022/0810kaiken.html 参照