開催案内をもらうのも初めてだったため、内容を熟読した上で大急ぎで申込書を完成させて、14時18分にメールで提出。何とか締切時間には間に合ったが、これは私が当日に会見が行われる可能性が高いと見越して、事前にほぼ記入済みの申込書を準備していたからだ。もし何も準備していなかったらタイムリミットには間に合わなかっただろう。
噂には聞いていたが、筆者は早速、「不意打ちのように送られてくる開催案内」と「受け取った時点で、申込締切までのタイムリミットは1時間未満」という“総理会見の洗礼”を受けたわけである。
今回の改造内閣発足日のように、分かりやすくヤマを張れる日ですらここまでドタバタするのだから、今後のことを考えると先が思いやられる。だが、常識的に考えれば、総理会見の開催が開始時刻のわずか4時間半前に決定したとは考えづらい。このあたりにも、一貫して会見の参加ハードルを引き上げようとする官邸報道室の姿勢が垣間見える。
そして、参加申込締切から約30分後の14時59分、官邸報道室から電話があった。なんと、抽選に当たったので今夜の会見に参加できるというのだ。こうして、会見の開催を知ってから1時間も経たないうちに、初めての総理大臣記者会見への参加が決まったのだった。
質問も回答も中身がない総理会見
首相官邸へ向かい、会見開始の15分前にあたる17時45分に会見室へ入室すると、官邸報道室の職員から私の座席は「前方3列目の左から5番目」と案内される。職員の手元には記者全員の名前入りの座席表があり、記者全員の座る位置が事前に決められていると初めて知る。
会見に参加するペン記者(質問したり、記事を書く記者)の29席(内閣記者会常勤幹事社19席、専門新聞協会・雑誌協会・外国プレス・フリーランス10席)が3列(1列目10席、2列目9席、3列目10席)に設置されており、筆者の座席は後方の中央付近だった。
また、スタンドマイクが記者席に4ヶ所設置されており、記者は指名後に座席から最も近いマイクの前に移動して質問する形になる。
17時59分頃に岸田文雄総理が入室し、定刻の18時0分についに会見が始まった。